「仕事と家庭が対立しない社会をつくる」働くママの新しい選択肢を「静岡モデル」で全国へ#2

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#新規事業
ザキさんのプロフィール画像
山崎 啓輔(ザキさん)

「子育てママのリスキリング?子どもを抱えてできっこない!」

SNSでも炎上した、子育ての現場を知らない政治家の発言と、社会の無理解に対する怒りがきっかけとなって、「ママが働きやすい仕組みづくり」の事業化に挑戦している鈴木晴子(通称ハル)さん。

ビジネスモデルはどうやって出来たのか?自ら実践している「仕事と家庭を対立させないワークスタイル」とは?

子育てに関わるすべての人に読んでほしい、インタビュー後編です。

▼前編:「無理解への怒りがトリガーに。仕組みがないなら、作っちゃおう」働くママの新しい選択肢を「静岡モデル」で全国へ#1

話を聞いた人株式会社hub・鈴木晴子(通称ハル)さん
ハルさんが今、挑戦していること「ママが働きやすい仕組みづくり」の事業化を静岡で実現
この記事のポイント・「社会にその仕組みがないなら、作ろう!」
・支援業から新規事業立ち上げへの挑戦
事業内容・法人向け支援:マーケティングや新規事業、リブランディング、業務効率化・デジタル導入支援
・個人向け支援:柔軟な働き方設計やマッチング、地域イベント、行政との連携
ハルさんのマーケティングサロン入会時期2023年1月
URL株式会社hub(静岡県静岡市)

※2025年9月時点の情報です。

今ある時間の半分近くを、望む未来の種まきに

株式会社hub代表 ハルさん(鈴木 晴子さん)

ザキヤマ:
いま、割合でいうと、既存事業と新規事業の対比は、どのくらいなんでしょうか?

ハルさん:
そうですね、新規事業に半分近い時間を投資している感覚でしょうか…。

マネタイズに関しても、新規事業はまだまだ種まきの段階で、実際の収益にしていくのは先の話になると思っています。

ザキヤマ:
なるほど、既存事業をしっかりやりつつ、新規事業の事業化も進めていくって感じですね!

ハルさん:
そうなんです!目の前のやるべきことと、中長期なスパンでこれからやりたいこととのバランスが、すごく難しいです。

ザキヤマ:
とても分かります!僕も目の前のタスクに追われて、気付いたら一日が終わってますから(笑)。

未来への種まきに時間を作るって、覚悟がいることだと思いますよ。

しかもハルさん!「私もう、子育て卒業しました。」みたいなテンションで話してますけど、現役の子育てママですよね(笑)?!

子育て真っ最中のハルさん。(ハルさんXより)

ハルさん:
はい。バリバリ子育て中な、5歳児の母です。

確かに、もう終わったことみたいに話してて、笑っちゃいますね(笑)。

ザキヤマさん

ビジネスプランは壁打ちで叩いて叩いて叩いて磨け!

ザキヤマ:
政治家への怒りというトリガーがあって、やると決めたあと、何から始めたんですか?

ハルさん:
私の場合、やると決めて、一番最初にするのは周りへの宣言ですね。政治家の言葉にムカついた時も「事業として、絶対に仕組みを作ってやる!」って思って。多分X(旧Twitter)でつぶやいてると思います。

ハルさん:
「こういうことを私はやりたい!やるぞ!」って、宣言してから始めてます。確か、ザキさんにも言ってたと思います。

ザキヤマ:
聞いてましたねー。それは家族にも言ったんですか?旦那さんとか。

ハルさん:
そうですね。言ってると思います。

その後は、改めてこういうビジネスモデルにしようと、ノートに書きます。どういうゴールにしたいかを、ある程度自分の中で決めていきます。

今回でいうと、

・ママが、学び直しと働き直しの機会にもっと触れられるようになること。
・自分の好きや強みや得意とかに、ゆっくり向き合って、伸ばせる場所があること。
・あるいは、それを生かせる仕事と環境に出会えること。

といったように「みんなの負が取り除かれた状態」を、ゴールとして描いていました。

ザキヤマ:
大事ですよね。理想の状態を言語化する。

ハルさん:
ビジョンやゴール設定を初めにしたら、次に、その道筋を考えます。思いつく限り、最善の戦略を考えるんです。資料やノートに言語でアウトプットします。

その後は壁打ちです。

「こういうことやりたいと思ってるんだけど、どう思う?」って人に伝えて、聞いてみるんです。すると、いろんな人の視点が入って戦略が磨かれていくんですよね。

「こういうことやりたいと思ってるんだけど、どう思う?」って。

ザキヤマ:
いいですね!

ハルさん:
当初は、HubSpot導入とかDX導入を前面に出していたので、それを企業の社長に壁打ちしてみたら、フィードバックをもらったんです。

「DX支援もありがたいけど、やっぱり人手不足っていう目の前の課題がみんな根深いんじゃないかな。うち的にもそういう部分をなんとかしてもらえたら嬉しい」って。

それで、オンラインアシスタントもサービスに組み込むことにしました。

こんなふうに、壁打ちで自分のプランを叩いてもらって磨くことを、めっちゃやりましたね!

ザキヤマ:
女性の働き方支援でいうと、オンラインで在宅ワークとか、ウェブデザインを学べるスクールとか、既にたくさんありますよね。

でも、ハルさんの事業は、女性の視点だけじゃなく、企業の課題解決も入っています。

ハルさん:
在宅ワーカーさん向けのスクールをやろうと思った時もあったんですけど、一方で、企業もずっと人手不足や、専門人材がいないことで困っていたんです。

両方が困ってるんだったら、マッチング機能があれば、循環できるじゃないですか。それで方向性が固まった感じがあります。

ザキヤマ:
経営者さんの悩みと課題を生で聞いてきた、ハルさん独自の視点ですね!

「仕事と家庭を対立させない」ワークスタイルとは

ザキヤマ:
現役の子育てママとして家庭があるなかで、ハルさん自身は時間をどうやりくりしてるんですか?

ハルさん:
最近は、hubのファミリーイベントに子どもや旦那さんにも参加してもらっています。なるべく働く時間と家族の時間の対立を減らしたいなと思っているんです。

オンとオフを分けないというか。

ザキヤマ:
プライベートな時間や家族の遊びに自分の仕事を組み込んで、ライフワークにしてるということですかね?

hubのファミリーイベントを子どもや旦那さんと一緒に創り上げる。

ハルさん:
そうですね。ライ「ス」ワーク(稼ぐことに重きを置いた仕事)に寄りすぎた仕事と子育てってなると、対立しがちかなと思うんですけど、ライ「フ」ワークとして、なるべく子どもや家族のための時間と重なりがあるような状態をつくるように意識しています。

ザキヤマ:
家庭と仕事のどっちが大事かって、永遠に終わらない議論で難しい!

そこに挑戦しているっていう意味で、これはもうナイストライを超えた、ウルトラトライですね!

ハルさん:
ウルトラトライ(笑)。ありがとうございます。

でも、一見対立してるように見えるけど、一段階抽象度を上げて見ると、同じ目的を見出せることって、世の中にいっぱいあると思っていて。

例えば、会社で2つの部署が対立しているけど、目指すのは同じく売上げや会社の利益ですよね。そういう視点でもう一回見ると、実は対立していないことってすごくあると思うんです。

ザキヤマ:
めちゃくちゃありますよ!

ハルさん:
だから一個一個、視座を上げて見ることで、違う解決策を探すというのを、アプローチとしてよくやるかもしれません。

仕事と家庭も同じです。

ザキヤマ:
これですね!ハルさんがこれからやろうとしているのは「仕事と家庭を対立させない」。すごい良いキーワードだなと思いました。

ハルさん:
そうですね。「仕事と家庭を対立させない仕組み」を作りたくて、この事業をやってるのかもしれません。

ネガティブフィードバックをどう受け取るかは自分次第

ザキヤマ:
事業をすすめるなかで、批判を受けることはなかったですか?女性活躍って、結構センシティブなテーマですよね…。

ハルさん:
そういえば、新規事業のアイデアを話したとき「静岡にそんな意識高い女性は少ないんじゃないか?」って、ある人に言われましたね…。

ザキヤマ:
ある人……。

ハルさん:
ザキさんという方なんですけど……(笑)。

ザキヤマ:
まさかの僕でしたか!

ザキヤマ:
過去の発言から、特大ブーメランが飛んできました(笑)!確かに「そんな学びたい欲がムキムキな人って、少ないんじゃない?」という意味では、言ってました。

ハルさんは、ネガティブフィードバックに対して、どんなふうに受けとめているんですか?

ハルさん:
今のは笑い話ですけどね(笑)。

ネガティブなフィードバックは普通にありますけど、なるほどって納得したら、そこをブラッシュアップしようってなりますね。

例えば、「ザキさんから見える女性はそうなんだな」と受け止めつつ、でも私から見える女性は同じ悩みを抱えている人が少なくとも何人もいるから「私はこの半径5メートルの人を幸せにしたいからそれでいい」って思いますね。

ザキヤマ:
素晴らしい考え方です!

「今のは笑い話ですけどね~(笑)」

ハルさん:
ネガティブなフィードバックが入った時は、自分でこれを受け入れるか受け入れないかの、取捨選択をやってるのかもしれないです。

それこそ、旦那さんにも「僕のまわりにはそんな女性は少ないかも」って言われてますし。

でも、旦那さんのまわりの女性たちと私とは価値観が違うし、生き方も違うし、何が幸せって思うかも違うので、それは個々人の自由だなって。

ザキヤマ:
押し付けることはしない。

ハルさん:
そうですねー。

ザキヤマ:
ハルさんが、フラットに行動できるのってなぜなんでしょう?

社会に怒りを覚えても、SNSに愚痴って終わる方がほとんどのなか、ハルさんはそうせずに動いたわけじゃないですか。やれることは自分でやろうと。

怒りで終わらせずに、なぜ行動にうつせるんですか?しかも自分だけじゃなく、人もチームも動かして。

ハルさん:
なんででしょうね…?そう言われて思い出したのは、もう十年ぐらい前かな?高校の同級生に会った時に言われた「ずっと自分で選んでるよね」って言葉です。すごく印象に残ってるんですけど。

わたしは貧困家庭に生まれたので、高校の友人たちが当たり前に持っている選択肢がない中で、自分も進学したいってなった時にどうしたかというと「家にお金がないなら、親戚に頭を下げて保証人になってもらって、奨学金借りよう!」と考えて。

実際その通りになったんです。思えばそれが、初めての資金調達だったんですけど。

与えられた不足があるなら、なんとか変えたい。自分の力で変えることを選びたい。」という所が、結構前からあるみたいです。

ザキヤマ:
自分自身の行動で、ほしい変化を選びとってきた。その成功体験があるからなんでしょうね。

七間町の映画館で親子イベントを毎月開催中

ザキヤマ:
先日、静岡東宝会館にある親子カフェで、「こども縁日」イベントを開催していましたが、これも子育て支援事業のひとつなんですか?

ハルさん:
はい。いま、静岡東宝会館の『こどもcafe ピッコラ』さんをお借りして、hub主催の親子むけイベントを毎月開催しています。

8月17日は、子ども達の手作り屋台が並んだ「こども縁日」を開催して、大盛況でした。

「こども縁日」は、準備から当日の運営までを、子どもたち主体で行ってもらう体験型のイベントで、自分で屋台をやりたいこども店長を募集したところ、数日で満員になってしまうほどの人気ぶりでした。

こども縁日の様子

ザキヤマ:
こども店長は、何歳くらいのお子さん達でしょうか?

ハルさん:
こども店長は、未就学児から小学校低学年くらいまでが対象でした。当日までの準備や、実行委員会のミーティングも、親子でご参加いただきました。

「こども縁日」は、魚釣りや射的のゲーム、手作り工作の焼きそばといった屋台めし販売など、10の屋台が出店して、スタンプラリーを集めたらお菓子やおもちゃのプレゼントをもらえるようにして、盛り上げました!

静岡新聞など、たくさんのメディアにご紹介いただきました。(※掲載許可をいただいてます)

ザキヤマ:
めちゃめちゃ素敵なイベントじゃないですか!

ハルさん:
こうしたイベントをきっかけに、子育てママたちに知ってもらって、hubのインスタグラムやLINEから、学びの機会にもつながっていただけたらと思っているんです。

ザキヤマ:
そして同時に、ハルさん親子の家族時間にもなると!

ハルさん:
そうですね(笑)。

さらに、来年3月には、七間町に新たな施設『こどもの遊び場』もOPEN予定です!わたしは「ベスティキッズ実行委員会」の一委員として、コンセプトや体験カリキュラム設計など、全体的に関わっています。

「ベスティキッズ実行委員会」は、行政と七間町名店街の方々とで、遊び場施設を推進しているプロジェクトです。

ザキヤマ:
ナイストライですね!静岡の七間町が子育てファミリーの街になりそうです。

ハルさん:
hubのインスタグラムで、子育てママむけの情報発信をしているので、ぜひフォローしてお待ちください。
『こどもの遊び場」についての続報もあげていきますので、お楽しみに。

hubのインスタグラム:hub-ハブマガジン-|静岡の子育てファミリー向けメディア

Cafe Piccoraの紹介記事:『Cafe Piccola』静岡東宝会館にキッズスペース完備のカフェOPEN!

ザキさん

【ハルさんより後日談】
2026年3月OPENの遊び場施設と連携し、新規事業構想の実証実験が開始できることになったそうです!
遊び場施設で託児をしてもらいながら、隣のKIKUYAさんで「ママ向けの座談会」や「ママの学び場」をこれから形にしていくとのこと。
ナイストライです!

静岡モデルを構築して仕組みを全国に

ザキヤマ:
最後に、これからやっていきたいことについて教えてください。

ハルさん:
まずは新規事業を形にしていくこと。学びの場と、マッチングというビジネス自体を形にするのが次のステップです。

それができたら、地域企業さんと、ビジネスとして成り立つかのチャレンジをしていきます。

これを「静岡モデル」として、1個作ります。そしたら、きっと全国に同じ課題を持っている地域がたくさんあるので、広げてもいいし、静岡だけで何個も作ってもいい。

静岡モデルが広がって、全国で社会の当たり前のインフラとして機能するところまで持ってくのが、わたしの目指すところですね。

ザキヤマ:
いいですね!ちなみに、こういう人がいたら仲間になってほしいってありますか?

ハルさん:
この話を聞いて、出資や協業、協力をしたいと言ってくれる方に出会いたいです!

「このビジネスモデルなら、こういうことで協業できそう」とか、思いに共感して「この部分で一緒に関わりたい」と動いてくれる人とか。実現に力を貸してくれる方と繋がりたいので、ぜひご連絡ください!

※株式会社hub ハルさんへの問い合わせ:
hub 問い合わせフォーム

ザキヤマ:
ハルさんのナイストライを応援しています。今日はありがとうございました!

ハルさん:
こちらこそ、ありがとうございました!

ナイストライ!

(記事編集:しあわせ販促工房 窪田てるみ、企画/ディレクション:ありかた 片井義之)

ザキヤマがあなたの悩みの入口になります。一度、カジュアルにお話ししましょう!

静岡マーケティングサロンは実践者のナイストライを後押しして、実践者同士が生の事例や悩みを共有し「これってみんな、どうしてる?」を聞ける居場所です。

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