「前例はなくとも、いける確信があったんです!」金具を使わず呼吸で解決!歯ならび矯正クリニックを静岡で開業した理由~ふじみ歯ならびクリニックの挑戦#前編~
「大学の学びとは真逆の治療法。でも絶対いけると確信したんです!」
東静岡駅前で「ふじみ歯ならびクリニック」を経営する、院長の高橋一人(かずと)さん。
歯科大学を卒業して歯医者さんになるはずが、運命の出会いから、子ども専門の歯ならびクリニックを静岡に開業!
「金具の装置を使わず、鼻呼吸と筋トレで歯ならびを整える」という、当時まったく前例のない非常識な治療法で、なぜ挑戦に踏み切ったのでしょうか?
挫折さえも強みに変えて、自分だけの道を切り拓いてきた一人さんのヒストリーに、ザキヤマが迫ります!
| 話を聞いた人 | 高橋一人さん(ふじみ歯ならびクリニック 院長) |
| 一人さんが挑戦していること | 金属を使わない歯ならび矯正を広めたい |
| この記事のポイント |
・「自分で決められない少年が、挫折から成長」 ・「成功率20%から97%に飛躍!絶望を救った選択理論心理学」 ・「相手の大切なものを理解する上質世界とは」 |
| 事業内容 | 金属を使わない歯ならび矯正クリニック、子どもに自分で選び決定させる習慣づくりサポート、同じやり方の矯正歯科医の育成 |
| URL | ふじみ歯ならびクリニック |
※取材時点の情報です。

このページの目次
「自分で決められない少年」が過去問の清書で手に入れた、最初の成功体験!
ザキヤマ:
一人さん、先日のイベント「マーケティングせよ」企画はお疲れ様でした!
参加したサロンメンバーからも「相手のマイワールド(大切にしている概念)を理解するアプローチに感動した」って大絶賛でしたよ。
一人さん:
ありがとうございます。
僕にとっても、資料をつくることで振り返りの時間になりましたし、参加者のみなさんのフィードバックからの気づきが多くて、今後やっていきたいことが明確になりました!

ザキヤマ:
さて今日は、そんな一人さんの「今に繋がる歴史」を深掘りさせてください。
まず、なぜ歯医者さんを目指したんですか?
一人さん:
そもそも僕、高校(静岡学園の理数科)の時は「自分で何も決められない子ども」だったんです(苦笑)。進路希望も全く白紙で、全部お母さんや周りの大人が決めてくれたルートを行くタイプで、最終的に進路を決めてくれたのは、薬剤師だった僕のおじいちゃんでした。
ザキヤマ:
おじいちゃんの一言で!
一人さん:
そうなんです。
僕が子どもの頃に絵を描くのが好きで美術の成績が良かったことから、おじいちゃんの中で「手先が器用=歯医者に向いている」と結びついたみたいです(笑)。
親戚のおじさんも歯医者だったから「じゃあ推薦で神奈川の歯科大学を受けてみよう!」と。ところが、自分は受かる気満々だったのに、落ちちゃったんですよ。そこから1年、静岡駅前の予備校で浪人生活を送ることになりました。
ザキヤマ:
挫折からのスタートだったんですね。
一人さん:
でも、浪人後に入学した福島の歯科大学(6年制)での生活が、僕の最初のターニングポイントになりました。当時、ノートパソコンを買ったんです。実は僕、字がめちゃくちゃ汚かったんです(笑)。だから、授業の手書きノートを毎日パソコンでカタカタと打ち直して、清書を作ることに没頭してました。
一人さん:
大学のテストって、何十年も同じ教授が作るから過去問が命なんですよね。
でも、先輩から回ってくる過去問のコピーって、コピーにコピーを重ねてるから、文字が潰れてて全然読めない(笑)。そんな中、僕が作った綺麗な過去問データが友達の間で「これすごい!」って重宝されて。資料作りの成功体験とともに、復習になって知識もつくから、勉強が全然苦じゃなくなりました。
ザキヤマ:
褒められて、勉強も楽しくなるなんていいですね!
一人さん:
加えて、再試験が夏休みの中盤というスケジュールだったので、落ちたら再試験まで静岡に帰ることができなくなってしまう。
すべては「夏休みをフルで地元の静岡で過ごしたい」という不純(?)なモチベーションのおかげで、勉強に集中することができたんです(笑)。
ザキヤマ:
「夏休みに早く静岡に帰りたい!」が、大きな原動力になったんですね(笑)

治療の美しさに惚れ込んで、大学病院へ。しかし、NASA帰りのエリート教授で英語の猛勉強!
ザキヤマ:
でも大学を卒業してすぐ開業、とはならなかったわけですよね?
一人さん:
はい。大学5年の病院実習で、虫歯を削って詰める「形」に超こだわる素晴らしい先生に出会ったんです。日本の保険制度だと、どれだけこだわっても1回の治療費は同じだから、普通は時間をかけません。
でもその先生の治療の美しさに惚れて、「この人のもとで修行しよう!」と大学病院に残り、さらに大学院へ進んで計10年を福島で過ごしました。
ザキヤマ:
10年!
職人気質の世界にどっぷり浸かったんですね。
一人さん:
そしたら、大学院に入った途端に教授が変わって、NASAで研究していたバリバリの超エリート教授がやってきたんです(笑)。
最初の面談で「日本の研究者も英語で論文出さなきゃ話にならないよ」って言われて。当時はGoogle翻訳なんてないから、スキャナーで読み込んで変な日本語に訳すんですけど、その修正に時間がかかりすぎる。「これ、ゼロから英語勉強したほうが早くね?」って気づいて、文法本を猛勉強しました。
その後、JICA経由でブータンから来た研修生の女性2人の案内役に指名されて、実践的な英会話まで体験できたんです。
ザキヤマ:
すごい!
字が汚かったからパソコンを覚え、NASAの教授が来たから英語を覚えた。
やっぱり流された先で、ちゃんと強みを身につけてますね!
一人さん:
本当に、どこで何が役立つか想定できないですよね(笑)。
ただ、大学病院って「虫歯治療」「矯正」と分かれた、完全に縦割り社会なんです。僕は虫歯の講座にいたんですけど、どうしても歯ならびの治療も学びたかった。だから縦割りを無視して、他の科の知り合いの先生に「教えてください!」って直談判したんです。
もちろん病院内では大問題になるから教えられない。でも先生が「月1回、外のアルバイトに行くから、カバン持ちでついてくるならいいよ」と言ってくれて、車の免許も持っていなかった僕を乗せて連れて行ってくれたんです。
ザキヤマ:
大学の矯正学科という王道ルートではなく、完全に脇道からの独学で、歯ならびの技術を掴みにいったんですね。
自分で決められずに流されていた少年が、いつの間にか、自分で選びとるまでになった成長物語です!
「治す」のストレスから「予防治療」へ!平泉で目撃した「歯ならび世界学会」の衝撃
ザキヤマ:
そこから、いよいよ静岡での開業に向けて動き出すわけですか?
一人さん:
その前に、地元に近い関東で経験を積もうと、埼玉のクリニックに就職しました。そこであらゆる治療を任せてもらったんですけど、今度は自分の中に強い「矛盾」とストレスが生まれ始めたんです。
ザキヤマ:
矛盾と言いますと?
一人さん:
たくさんの虫歯患者さんを短い時間でこなしていくうちに、
「これ、直すんじゃなくて、そもそも虫歯にならないように予防した方が本質的じゃないか?」
と思い始めたんです。でも、頭では「予防したい」と思っているのに、手元では毎日「ガリガリ歯を削って治している」。このギャップが本当にしんどくて…(苦笑)。
ザキヤマ:
そうだったんですね。
一人さん:
そんな時、一緒にクリニックを回していた副院長先生が、ぼそっとアイデアをくれたんです。
「一人くん、歯ならびの治療もできるんだから、いっそのこと『歯ならび治療専門』のクリニックで開業しちゃえばいいじゃん!」って。
普通の歯科医の常識からしたら、大学で矯正学科を専攻していない人間が専門を名乗るなんてあり得ないことなんですよ。でも、その無責任(?)だけど貴重な一言で、一気に目の前が開けたんです!
ザキヤマ:
おお!キーマンの登場ですね。
一人さん:
さらにその年、運命的なチラシに出会いました。
「歯ならびは遺伝ではなく、呼吸の仕方が原因で悪くなる。だから呼吸をトレーニングすれば予防できる」
というものです。
大学では「歯ならびは遺伝だから治療するしかない」と習ったので、ひっくり返りましたね!
さらにその直後、たまたま岩手県の平泉で「機能的アプローチで歯ならびを直す世界学会」が開催されたんです。バルセロナやブエノスアイレスに続いて、なぜか日本開催でした。
ザキヤマ:
なぜに平泉(笑)。
でも、埼玉に住んでいるからすぐ行けますよね!
一人さん:
そうなんです!
行ってみたら、世界中のドクターが器具を使わずに呼吸や姿勢へのアプローチで、子どもたちの歯ならびを治している実績を目の当たりにしました。
「この方法なら、日本でも絶対にやっていける!」と確信して、当時、仙台で開業していた大学の同級生に「月1回のバイトで、この呼吸の治療法に変えさせてくれ」って相談したら、彼も柔軟に「赤字にならなきゃいいよ」って任せてくれて(笑)。
そこで圧倒的な臨床経験を積ませてもらいました。
ザキヤマ:
平泉での学会参加で、動き始めたんですね!

前例のない治療方針のクリニックを開業!戦略的に流されて、たどりついた場所とは?
ザキヤマ:
埼玉の副院長の一言に、平泉での世界学会参加、仙台のクリニックで臨床経験。
すべての点が一本の線に繋がって、2014年7月の「ふじみ歯ならびクリニック」開業に至るわけですね!
でも、金具を使わない子ども専門の矯正歯科なんて、当時は他にモデルケースがなかったんじゃないですか?
一人さん:
そうなんですよ。本当に「ノーモデル」でした。
だから銀行に融資を受けにいった時も、事業計画書なんて他社の参考資料がないからざっくりしたものでした(笑)
でも、うちのおじいちゃんの代からずっとお世話になっていた地元の信用金庫さんだったから、おじいちゃんが積み重ねてくれた「圧倒的な信用」のおかげで、すんなりお金を貸してもらうことができました。「歯科医院」という安定物件として見てくれたんでしょうね(笑)。本当にありがたかったです。

ザキヤマ:
おじいちゃん、最初から最後までキーマンすぎる!
一人さん:
おじいちゃん、さまさまです(笑)
ザキヤマ:
実は僕、今年のある授業で「夢がない、やりたいことがない」と悩む若者たちに向けて話をしたんですけど
「夢なんて最初からなくていい。流された先々で、自分にできることを100%やっていけば、必ず自分だけの仕事にたどり着く」
って伝えたんですよね。
一人さんの人生は、まさにその体現だなと思いました!
一人さん:
本当にそう思います。
振り返れば、僕は進路も環境もずっと「流されて」決めてきました。でも、流された先で出会う人たちのメッセージに対して、「せっかくなら、もっと良くできないか?」って理想を追求してきた自負はあります。
2017年にアチーブメント(研修)で『人生の目的』という概念を学んでからは、その軸がさらに明確になりました。完全に流れに身を任せるんじゃなくて、「自分の人生の目的に沿っているか」という基準を持って、来た流れを味方につける。
ザキヤマさんの言葉を借りるなら、まさに「戦略的に流される」ということですね。
ザキヤマ:
戦略的に流される!
自分の思い描いたとおりになることばかりじゃないからこそ、出会いや環境を活かして掴んだ一人さんの道のりは、勇気を与えると思います。

▶後編へつづく:歯ならび治療の成功率が20%から97%へ!経営危機を乗り越えた「選択理論心理学」とは?~ふじみ歯ならびクリニックの挑戦#後編~
ナイストライ!
(記事編集:しあわせ販促工房 窪田てるみ、記事企画・ディレクション:ありかた 片井義之)
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