「パートナー企業選びのカギは、頼み方だと思う。」創業百年の魚卸マルイリがECに挑む#2【マーケサロンの活かし方編】
静岡県焼津市(やいづし)に総本店を構える「焼津港丸入商店」広報/株式会社マルイリフードサプライ直販・飲食事業部の久保真也さん。
EC事業への挑戦をきっかけに、今も新たなトライを続けています。
後編は、事業者の立場から考える、静岡マーケティングサロン(以下、マーケサロン)の活用方法や、活用する上で意識していることを伺いました。
▼前編はこちら
「オープン直後にまさかの販売停止。怒涛の三か月でした。」創業百年の魚卸マルイリがECに挑む#1
(記事編集/しあわせ販促工房 窪田てるみ)
目次
事業者がマーケサロンを活用するカギは「頼み方」

ザキヤマ:
いつも感じてるのは、久保さんの「発注スキル」の高さなんですよ。「発注スキル」が高いからこそ、マーケサロンを使い倒してくれている感じがするんです。
マーケサロンのメンバーは140人ほどいますけれど、使い倒したくても使い倒せていない人がほとんどなんですよね……。マーケサロンを使い倒すコツについて、くわしく聞かせてください!
久保さん:
自分の場合は、頼み方をかなり狭めていると思います。
ザキヤマ:
頼み方を狭める、ですか?
久保さん:
そうですそうです。

ザキヤマ:
実際どんな頼み方をしているんでしょうか?丸入商店では色んな方に依頼していると聞いています。
久保さん:
例えばレジ周りとLINEに関しては、匠宿(駿府の工房 匠宿、静岡市)の仕組みが素晴らしいなと思いましたので、その仕組みに携わっている小林さん(Colony株式会社 代表取締役・小林由尚さん)にお願いしました。
GWやお盆イベントの広告やチラシは、それを得意とする曽根田さん(株式会社Shinker 代表取締役・曽根田光さん)ですね。
それから、今はECの壁打ちやバックエンドのシステム構築までお願いしているよっしーさん(ありかた 代表・片井義之さん)に関しても、初めは、ECのバックエンド周りの壁打ちだけを頼みましたからね。「セカンドオピニオンとして入ってほしい」って。
ザキヤマ:
そうだったんですね!
久保さん:
マーケサロンのメンバーに依頼する場合に限りませんが、「この部分だけお願いしたいです。」って頼み方を狭める方が、依頼を受ける側もやりやすいんじゃないかなと思います。
頼み方がわからないとしたら、どこが足りないかの棚卸ができていないのかもしれない。自社のどの部分が弱いとか、どの部分を補えば、今の事業を一番いい形にできるのか。
ザキヤマ:
このパーツが足りないから、揃えていこうと。
久保さん:
そうですね。自社を客観的に見て足りない部分と、頼みたい部分をはっきりさせるといいかもしれませんよね。
ザキヤマ:
でも、それって難易度が高いと思うんですよ。
久保さん:
だからRFPが重要なんですよ。あれが書けないと頼めません。

パートナー(発注先)選びはRFPが超重要
ザキヤマ:
RFPって、なんでしょうか?
久保さん:
提案依頼書のことです。依頼内容や条件を文章で明確にしたものなんですけど、これを作れるのが発注スキルの一つなんじゃないかな。「私たちの条件はこれこれなので、これに沿って提案や制作をお願いします。」といったものです。
自分の場合は、前職の経験が活きているんだと思います。
ザキヤマ:
前職は大手通信会社でしたよね。
久保さん:
そうです。いわゆる電波を売っている会社なので、外部パートナーの力を借りないとサービスが作れないんです。大体3〜5社くらいの企業に対してアプリ開発などを発注する立場でした。
お願いしたいことが明確でなければ、成果物もあがってこないですよね。言語化しないと伝わらない。

ザキヤマ:
叶えたいことを言葉にして、明確に伝えるのが大事ってことですね。
これ、マーケサロンで「RFP(提案依頼書)の書き方講座」とか、できそうじゃないですか!?知りたい人がいるんじゃないですかね。
久保さん:
いつまでに、どういう仕様で、どれぐらいの条件を満たしているものをお願いします、こんな感じでRFPを作りますってね。
「頼み方」は社外だけの話じゃない
ザキヤマ:
前編で伺ったEC事業の立ち上げもなんですが、一昨年(2023年)開催したマーケティングプレゼン対決イベントをきっかけに生まれた「まぐろのみなみのさしみ醤油」。この時の、久保さんのマーケサロンの活用や、メンバーへの依頼の仕方も印象的でしたよ。

ザキヤマ:
色んな方からのアイデアを汲み取りすぐに実行して、商品化。そしてプロモーション。マーケサロンをどんどん事業に活かしていただけるのも、頼みたい部分をしっかり意識しながら取り組まれているってことなんですね。
久保さん:
ありがとうございます!
ザキヤマ:
前職でパートナー選びが命綱だって知っていたからこそ、社外の専門家とうまく組めているんでしょうね。久保さんって芯を捉えてる感じがするんですよ。RFP(提案依頼書)もそうですけど。
複数の事業者からどこに依頼するかの選定基準や必須条件、比較項目も決めた上で、優先順位をつけてやってますよね。頼み方だけでなく、断り方も丁寧だし。
それから、社内のコミュニケーションにも配慮している印象です。
久保さん:
頼み方って、社外だけの話じゃないと思うんです。
ザキヤマ:
大事ですよね。パートナーさんからよい提案をもらえても、それを社内ですり合わせて実行につなげるのは、久保さんにしかできないことですから。
久保さん:
中小企業としては、助けてもらいながら進んでいかないと。自分たちだけでは、すぐに限界がきちゃいますよね。
ザキヤマ:
でも、だからこそ面白いですよね。地域で盛り上げていく一体感もあります。
ちなみに、久保さんは東京の出身で静岡に来たんですよね?
久保さん:
そうなんです。だから初めは1人も友達がいなかったんです。今、こんなに楽しく生きられてるのはマーケサロンのおかげですよ(笑)!

創業100周年をむかえるマルイリの、今後のトライ
ザキヤマ:
最後に質問させてください。久保さんは今後、どんなことにトライしていくんでしょうか?
久保さん:
一つは、EC事業を拡大しながら丸入商店のブランドを高める取り組みです。同時にもうひとつ、会社そのものを強くする仕組みを作りたいと思っています。
ザキヤマ:
会社そのものを強くする仕組み…ですか?
久保さん:
会社としての攻守を整えることですね。例えばサッカーだったら、5点入れても10点入れられたら負けちゃうじゃないですか。
ザキヤマ:
負けてしまいますね…。

久保さん:
EC事業やメディア対応といった、自分がやっていることを攻めとした時に、守りは何かというと、社員が働きやすくて成長できる職場環境になっているかだと思うんです。
今日も弊社の伊牟田と話していたんですが、今年(2025年)100周年を迎える歴史のある会社だから、人材採用の仕方や働き方の面で、今の価値観を意識してアップデートしていきたいです。
会社の体制をアップデートしていくことで、新しい風を入れることができるかもしれない。
それぞれが得意な領域で能力を発揮して成長することで、チームとしても強くなる。会社として新領域に入っていく感じです。
そんな仕組みができたらいいなって話していたら、よっしーさんが「それなら、この人。」と紹介してくれて。人材採用・組織の竹田さん(株式会社チームフォワード 代表・竹田敬介さん)。
ザキヤマ:
またマーケサロンの仲間じゃないですか!(笑)
久保さん:
そうそう。竹田さんに来てもらって。マルイリの現状をふまえた具体的なアドバイスをもらうことができました。ほんと、マーケサロンを使い倒してます(笑)!
ザキヤマ:
ありがたいです。使い倒したその後の話がマーケサロンのコンテンツになるし、メンバーの満足度にもなってますから。すごくいい循環です。
マーケサロンさんとしても、会社の変遷を一緒に見れるのはすごく勉強になりますね。
久保さん:
会社そのものを強くしていく、そのためにも、ECの売上・利益をもっと上げなければいけないんですよ。リアル店舗のブランド作りとECを融合させるって、なかなか大変なことだと思うんです。
「丸入さんがセレクトしたものは、ぜんぶ美味しい!」って全国の方に喜んでいただけるような、そんなブランド作り、体制作りを目指します。それが、これからのトライです!
ザキヤマ:
いいですねー。成功したら、丸入さんが「カンブリア宮殿」に出演して、村上龍さんからインタビューを受けて、「実はザキヤマさんという、ルイーダの酒場の番人みたいな人が静岡にいて。色んな人を紹介してくれたんですよ!」って全国へ発信してくれますね(笑)。
久保さん:
そんな未来を作りたいです(笑)!

ザキヤマ:
いやー、楽しみです。今日はありがとうございます!久保さんや伊牟田さんはじめ、丸入商店さんのこれからのトライを応援しています!
久保さん:
ありがとうございます!

ザキヤマが、あなたの悩みの入口になります。
静岡マーケティングサロンは実践者のナイストライを後押しして、実践者同士が生の事例や悩みを共有し「これってみんな、どうしてる?」を聞ける居場所です。
