歯ならび治療の成功率が20%から97%へ!経営危機を乗り越えた「選択理論心理学」とは?~ふじみ歯ならびクリニックの挑戦#後編~

読了時間の目安: 約3分
#新規事業#静岡県静岡市
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山崎 啓輔(ザキさん)

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「トレーニングの成功率は20%だったんです…」

家庭でトレーニングして歯科矯正する「ふじみ歯ならびクリニック」。

院長の高橋一人さんは「世界に成功例があるから、日本でもいける!」と確信し、静岡で開業。
しかし、クリニックでの成功率は低迷し、5人中4人が継続できずに辞めてしまう現実がありました。

そんな絶望のなか、一人さんを救ったのが「選択理論心理学」。
それって一体なんですか?
ザキヤマが聞きました!

▼前編:
「前例はなくとも、いける確信があったんです!」金具を使わず呼吸で解決!歯ならび矯正クリニックを静岡で開業した理由

成功率20%の絶望から僕を救った、選択理論心理学との出会い

ザキヤマ:
一人さんのクリニック経営に欠かせないという「選択理論心理学」について、聞かせてください!

一人さん:
わかりました!

その前に、まず質問なんですが、目の前の人が「やってほしいことをやってくれないな」っていうシチュエーションって日常にありませんか?

ザキヤマ:
めちゃくちゃあります!
僕だったら、子どもに宿題してほしいとか(笑)。

一人さん:
親御さんあるあるですよね(笑)

ザキヤマ:
それと最近、企業に入ってパソコンやAIの活用方法をお伝えする仕事もやっているんですが、会社の中にも沢山あるんじゃないですかね。

社長が社員さんにむけて、このITツールを使ってくださいよと言い続けても、全然やってくれないとか、よく聞く話ですから。

人ってそう簡単に動くもんじゃないですね(苦笑)。

一人さん:
ありますよね〜(頷く)。

僕の場合、「やってほしいこと」が、そのまま歯ならびの治療として結果に出てしまうんです。
通常の矯正歯科のように、クリニックで取り付けた装置を付けっぱなしってわけじゃないので、お子さんに、家でマウスピースを付けて習慣化してもらう必要があります。

ザキヤマ:
習慣化…。
大人でも難しいですよね。

一人さん:
僕が専門にしている小児矯正は、金具をつけて無理やり歯を動かす従来の方法とは違います。あごが成長する環境を整えるために、マウスピースをはめて唇を閉じたりベロを持ち上げる筋トレをしたり、口呼吸を鼻呼吸に切り替えたりする、事前対応・予防型の治療なんです。

根本解決になるので再発がほぼない、めちゃめちゃいい治療法なんですよ!

ザキヤマ:
すごく本質的な治療ですよね!

一人さん:
でも、最大の弱点があって、本人が毎日家でトレーニングしないと効果がマジで出ないんです。

家庭でのトレーニングが治療のカギ!でもそれって…

ザキヤマ:
なるほど…。
対象年齢も低めでしたよね。
何才くらいまでなら可能なんですか?

一人さん:
始める時期は前歯が生え変わってきている頃なので、幼稚園の年中さんから小学校2年生くらいまでです。

ザキヤマ:
大変な年頃ですね…。
うちにも小さい子どもがいるから想像しますけど、トレーニングをやってくれるもんなんですか?

一人さん:
もちろん、簡単ではありません。
小さいお子さんって、未来予測ができないんです。マウスピースを付けることの意味や、付けることによって、将来どうなるかをイメージできない年頃なので、お母さんを通してお子さんに「やってもらう」ことになります。

ザキヤマ:
そうなりますよね。

一人さん:
やってほしいのに相手が動いてくれないとき、その後に自分が取る行動は大体2パターンなんです。

自分の理想だけを突き通してわがままに生きるか、自分の理想を抑えて相手に合わせる我慢を選ぶか?

これって、どちらのパターンも、諦めや甘やかしのループに陥りがちで、僕のクリニックも、かつてはその地獄にハマっていました。

ザキヤマ:
地獄ループ…。
家でもお母さんがやりなさいってキレて、子どもはやりたくないと逃げ回る図が容易に想像できますね(笑)

一人さん:
そうなんです。
15年前に始めた当時、「ご家庭でお子さんができるように頑張ってくださいね」ってお母さんに丸投げしていたら、なんと成功率はわずか20%でした…。

ザキヤマ:
えっ、20%⁉️

一人さん:
はい。5人に1人しか成功しないんです!

お母さんからは「私が言ってもやらないから、先生から言ってやらせてください!」って怒られるし、「思っていたのと違ったので辞めます」と言われてしまうこともあって……。5人中4人は、成功しないから辞めましょうとなってしまっていました。

ザキヤマ:
5人中4人が辞めてしまったら、経営的にもきびしいですよね。

一人さん:
はい…。自分が選んだ、この治療法が間違っていたのか?
クリニックがダメなのかって、自分に対する自信を完全に失っていました。

そんな僕を救ってくれたのが、「選択理論心理学」だったんです。

子どものスマホフォルダにもぐり込め!習慣化をデザインする3つの体験

ザキヤマ:
選択理論心理学って、僕らのマーケティングでも超重要視している、人間の脳の仕組みを紐解く心理学ですね。

一人さん:
ウィリアム・グラッサー博士が提唱した心理学なんですが、根本にあるのは、人は内側から動機付けられるものであり、他人を思い通りに変えることはできないという内的コントロールの考え方です。

やりなさい!と外から圧力をかける外的コントロールは絶対にうまくいかない。じゃあ、人はどうやって内側から動機付けられるのか。その鍵が、脳内にある上質世界(クオリティ・ワールド)という言葉です。

上質世界とは?

ザキヤマ:
上質世界って、めちゃくちゃ面白い概念ですよね。

一人さん:
スマホの中の、フォルダー名が上質世界と考えてみてください。
そこには、自分が一緒にいたい人、経験したいこと、大切な価値観の写真が入っています。人はそのフォルダにあるイメージを満たすために行動するんです。

僕のフォルダには、大好きなバンドのサカナクションや、家族みんなで大晦日に行く山奥の年越し蕎麦屋さんの写真が入っています(笑)。過去のものは入れ替わるし、新しいものが上から貼られたらどんどん更新されていくアップデート仕様です。

奥様のさやかさんと、サカナクションのライブへ!

ザキヤマ:
いいっすね!(笑)。
ちなみに僕の上質世界には、このマーケティングサロンのメンバーが遠い家族として入ってますよ!

一人さん:
ありがとうございます。
じゃあ、小学校低学年の子どもたちのフォルダには何が入っているでしょう?

いくら親や僕が、「歯ならびが綺麗になると、こんなメリットがあるよ」と説明しても、子どもの脳の構造上、数年後の未来なんて絶対にイメージできないんです。

大体、4歳児は目の前のことしか予測できないし、7〜8歳児でも明日テストだなとか数ヶ月単位の予測が限界。そんな子どもたちに、2年間の地道な筋トレの未来像なんて一致するわけがない!

お母さんと僕の未来像は一致していても、子どもだけが取り残されてしまう。じゃあ、子どもたちが家庭で絶対に持っている上質世界のイメージは何か?

それは、お父さんやお母さんと過ごす楽しい時間なんです。

ザキヤマ:
なるほど!
トレーニング自体を好きにさせるんじゃなくて、親との楽しい時間にトレーニングをくっつければいいんだ!

一人さん:
まさにその通りです!
だから、僕のクリニックでは、親子に3つの体験をしてもらう工夫をしました。

①一緒にやってみようという体験:

一人でやらせず、親や仲間が巻き込む。大人でも一人だと気が重いですが、誰かが一緒にやってくれるとやりたくなりますよね。

②自分で決めたという体験:

人は自分の意思でコントロールしたい欲求があります。でも未来が見えない子どもは、自分では決められない。だから、トレーニングを「ご飯の後にする?それともお風呂上がり?」と選択肢を出して、本人に選ばせるんです。
このちょっとした選択が、自分で決めたという体験になります。

③できたという体験:

例えば1週間に5日できて、2日できなかったとき。多くの親御さんは「2日できてないじゃん!」と責めてしまいますが、それは逆効果です。僕らは「5日もできたじゃん!」とできた部分に焦点を当てて承認してあげる
身近な親からの言葉は、子どもの上質世界を強烈に満たします。

ザキヤマ:
いいですね!

「3つの体験」で、親子で楽しく続けられるトレーニングに

一人さん:
この3つの体験をパズルのように揃えていくだけで、子どもたちは自ら進んでマウスピースをやってくれるようになります。その結果、3ヶ月後の習慣化継続率は、かつての20%から驚異の97%に跳ね上がったんです!

ザキヤマ:
97%!脅威的ですね……。

いや、これ聞いてて鳥肌が立ちました。僕らのマーケティング支援の現場でも全く同じことが言えますよ!クライアントにいくら正論を伝えても、ミーティングから離れて日常業務に戻ると、みんな我流に戻るか、できなくなっちゃう。

一人さん:
よくあることですよね。
脳の構造からいっても、新しいことを取り入れるのは難しいですから。

ザキヤマ:
結局、僕らが一方的に教える教えないの話じゃなくて、相手の伴走者になって、やりたくなる仕組みを一緒に作ることが全てなんだなと、置き換えて聞いていました。

一人さん:
おっしゃる通りだと思います。

選択理論の学会で、クリニックの成果を発表しました!

ダンバー数の限界と、ドクターではなく伴走者を育てる新モデルとは?

ザキヤマ:
習慣化の仕組みで97%の成功率が出せるようになりました。
では、次に一人さんが目指していることってなんですか?

一人さん:
僕がこれから作り出したいのは、自分と、自分の大切な人たちが、お互いの理想を実現し合う「なめらかな世界」です。

クリニックとしての具体的な目標は、2027年までに年間100人の患者さんに来てもらい、そのうち50%をオンラインで完結させること。

実は今、静岡からフィンランドに引っ越されたご家族とも、ZOOMを使って6時間の時差を越えて習慣化のサポートをしているんです。オンラインなら海外でもどこでも繋がれる確信があります。

ザキヤマ:
オンラインで小児矯正の習慣化サポート!
それはめちゃくちゃアツいですね。

一人さん:
ただ、僕1人のクリニックだとどうしても限界があります。

そこで、僕と同じように選択理論を取り入れて治療ができる日本全国の歯医者さんを巻き込みたいと考えています。脳の構造上、人間が名前と顔を一致させて親密な関係を維持できる上限をダンバー数と言いますが、マックスでも150人、本当に大切な人は5人と言われています。

僕が直接すべての先生と深く繋がるのは無理があるので、だからこそ、コアな仲間として、まずは2027年までに、5名のドクターにこの方法を取り入れてもらいたいなと。
これが、僕の今の課題です。

ザキヤマ:
いいですね!
ところで今日は一人さんの奥様、さやかさんにもご同席いただいているので、ちょっと伺ってみたいです。
一人さんのこの構想について、さやかさんはご存知でしたか?

さやかさん:
いいえ。私は自分の事業を持っていて、普段、あまりクリニックの経営に口出ししないようにしているんですけど……。この仕組みを他の歯医者さん本人に教えるのは、正直かなり大変だと思うんです。

ドクターは、日々の治療や経営で手一杯。要は営業のロールプレイングと同じで、この高度なコミュニケーションを、ドクター自身がマスターして実践するのはハードルが高すぎるんじゃないかと。

それよりも、やる気のあるクリニックのスタッフさんを対象にして、彼女たちを習慣化のプロフェッショナルに育てるプログラムを作る方が、圧倒的に再現性があるんじゃないかなって、聞いていて思いました。

ザキヤマ:
さやかさん、それめちゃくちゃ核心を突いてますよ!完全に敏腕マーケターの視点だ(笑)。

先生が治療の診断をして、実際の親子への3つの体験の伴走は、スタッフさんが担当する。そのスタッフ育成の仕組み(BtoBビジネスモデル)を作っちゃえば、全国の歯科医院に一気にレバレッジをかけて広げられますね!

一人さん:
確かに……!
そうか。自分が直接ドクターに伝えないといけないと、思い込んでいました。

スタッフさんを巻き込んだ、育成プログラムに切り替える!
僕のなかの「繋がりはなめらかに」というキーワードが、今まさにカチッとハマった気がします。

さやかさんの一言で、新たなビジネスモデルが見えた瞬間!

歯を抜かないことは一生ものの価値と、価格比較を無効化するストーリー

ザキヤマ:
『マーケの現場から』編集のてるさんは、矯正治療中のお子さんがいるそうなので、リアルな声を聞かせてもらえますか?

てるさん:
私は、一人さんの治療法を、これからのママさんたちに知ってもらいたいと強く思っているんです。

うちの子は現在、金具の矯正をやっています。それも自分たちで話し合って決めたことではあるのですが、もともとの歯ならび状態が悪かったため、結局、歯を4本抜くことになりました。しかも、別の歯医者さんで抜歯をしてもらったところ1本が抜けづらく、時間もかかり麻酔を追加したりと大変で、当時中学生の子どもが号泣してトラウマになってしまったんです。

一人さん:
それは本当に辛かったですね……。母親として、我が子の体の一部を傷つけなきゃいけないプレッシャーは想像を絶するものだったと思います。

てるさん:
本当に胸が痛む経験で、親としての自分を責めました。長男は通いはじめて5年になりますが、まだ治療中です。期間は個人差が大きいですが。

その点、一人さんのやり方の場合、あごを成長させるから歯を抜く必要がないし、通院も2年で区切り、その後も寄り添ってくれる。これはかなり、母親の不安を払拭してくれるんじゃないかと思います。

ザキヤマ:
まさにこれですよ!
過去の「マーケティングせよ」企画でも、例えば遺骨をダイヤモンドにするビジネスとか、一見分かりにくい価値をどう翻訳するかをテーマにやってきました。

最大の武器が見つかりましたね!
一般的な歯医者さんは、マウスピースがダメな場合は金具に移行して料金が高額になりがちです。でも、一人さんのクリニックでは、心理学による97%の習慣化がセットだから追加料金がないし、何より一生の財産である歯を抜かずに済みます

一人さん:
そう思ってもらえると嬉しいですね。

てるさん:
実際、知り合いのお母さんから「一人先生のクリニックに通っていたけど、今も歯ならびキレイだよー!」という声を聞いています。

それに「選択理論心理学」からの習慣化の考え方は、日々の子育てでも活かせるものなので、全国のお母さんたちにぜひ知ってもらいたいくらいですよ!

家庭での習慣づくりは、日々の子育てにもプラス!

ザキヤマ:
子どもの成長期という限られた時間の中で、子育てそのものが楽になるというベネフィットまで付いてくるんですね!

このストーリーをブログやSNS、YouTubeできちんと発信していけば、競合との価格比較なんて一瞬で吹き飛びますよ!

一人さん:
ありがとうございます。
僕が苦しみながら20%の壁を乗り越えてきたストーリーと、お母さん1人にプレッシャーを背負わせず、LINE等で寄り添うサポートの価値を、もっと言語化して伝えていかなければいけないなと痛感しました。

今日のインタビューで、進むべき道への霧が晴れた気がします!

ザキヤマ:
よかったです!
最後に、一人さんが描く理想の未来ってなんですか?

一人さん:
これからの僕の理想は、歯ならびの治療を通じて「親子の繋がり」をより良くしていくことです。

毎日トレーニングを頑張ることで、子どもの習慣を作って、自信を育む。大変なことも、成長の機会に変えられるような世界を、これからも静岡から作っていきたいですね。

子どもの「やりたい」を応援する活動、始めています!

ザキヤマ:
自信に満ちた子どもたちを、治療を通して静岡にたくさん増やしてください!
今日はありがとうございました!

一人さん:
こちらこそ、ありがとうございました!

インタビューを終えて。みなさん、ありがとうございました!

ナイストライ!

(記事編集:しあわせ販促工房 窪田てるみ、記事企画・ディレクション:ありかた 片井義之)

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