「袋井のミッキーマウスからルフィへ」飲食店オーナーが仕掛ける、泥くさ創業支援#前編

読了時間の目安: 約3分
#創業支援#新規事業
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山崎 啓輔(ザキさん)

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「美味しいものを作って待っていればいい、という時代はコロナで終わった。」

そう語るのは、袋井市のビジネス仕掛人・竹原興紀さん(たけはら おきのり/ 株式会社THE BLUE OCEAN 代表取締役)。

地元で愛される薪窯(まきがま)ナポリピッツァの飲食店オーナーでありながら、現在は創業支援、動画スクールの主宰、さらにはAIアプリの実装までこなす多才な方です。

しかし、その根底にあるのは「一度死んだ街」を目の当たりにした絶望と、そこから這い上がるための泥くさい戦略でした。

「袋井のミッキーマウスを目指していた」と語る、その真意とは?

軽やかなフットワークと、現場主義の裏側に迫るインタビュー。
ビジネスの「上流」を目指す人は、必見です!

話を聞いた人 竹原興紀(たけはら おきのり)さん
竹原さんが挑戦したこと 袋井に挑戦者を増やし 、街全体をアップデートさせる!
この記事のポイント ・「AIアプリは、ただの『遊び』から実装する」
・「コロナで街が死ぬのを見て、ビジネスの『上流』を目指した」
・「手触り感こそが信頼の正体」
・「ミッキーマウスからルフィへ。仲間に頼る覚悟」
事業内容 薪釜ナポリピッツァ飲食店経営、エステサロン経営、動画教育事業、創業支援、マーケティング支援、AI活用支援
URL https://www.filmpresso.com

※取材時点の情報です。

「遊び」が未来を実装する!AIアプリと教育事業の意外な接点って?

ザキヤマ:
竹原さん、お久しぶりです!
今いらっしゃるのは、袋井のコワーキングスペース「BIRDS」ですか?最近の竹原さんは、袋井ビジネスプランコンテストの優勝もありましたし、行政の大きなプロジェクトに関わったりと、今、めちゃくちゃノッてますよね!

竹原さん:
いえいえ、ありがとうございます(笑)。今日もこの後打ち合わせがあって、このコワーキングスペースを使わせてもらってる感じですね。

ザキヤマ:
竹原さんは、僕が主宰する「静岡マーケティングサロン」でも中心的なメンバーですが、とにかく多才ですよね。飲食店経営という「現場」を持ちながら、動画クリエイターでもあり、最近ではAIを使いこなしてアプリまで作っちゃう!でも、ご自身でその「凄さ」をあまり語らないじゃないですか。「昔の話をするのは武勇伝っぽくてかっこ悪い」って。

竹原さん:
あはは、そうですね。飲食業はもう20年と長いんですけど、お酒が入ると昔話ばかりする先輩たちってかっこ悪いなと。ああはなりたくないなと思って生きてきたんですよ(苦笑)。
でも最近、創業支援で若い子たちと話すと、多少は自分の「しくじり」を話した方が距離が縮まるなと感じるようになって、ちょっとずつ喋り始めている感じです。


竹原さんのお店「IZACAFE coo-kai」

ザキヤマ:
最近は、どんなことに力を入れているんですか?

竹原さん:
新年度になって「子ども・教育」関連が動いています。3年前に「こども家庭庁」ができてから、地方自治体も「子どもの意見をちゃんと吸い上げなさい」という国からの指令を負っているんです。その一環で、動画教育やキャリア教育の文脈で声をかけてもらうことが増えました。

ザキヤマ:
キャリア教育!
竹原さんが教えると、一味違いそうですね。

竹原さん:
僕は、AIを使った「アプリ実装」なんかを子どもたちに見せたりします。最近作ったのは、ファッションスタイリストさんのための診断アプリ。自撮り写真をAIが解析して、「今日はデートならボタンを一つ外して、親しみやすさを出しましょう」なんてアドバイスをくれるんです。最後はLINE公式に飛ばして、実際の買い物同行サービスに繋げる。

地域の子どもたちと交流。ピザを焼く薪釜(まきがま)に興味しんしん!

ザキヤマ:
めちゃくちゃ実用的じゃないですか!
それ、ご自身でプログラミングを?

竹原さん:
いや、今はAIに指示を出せば、コードを書けなくても形になる「ノーコード・ローコード」の時代ですから。僕にとってはこれ、全部「遊び」なんですよ。でも、大人が本気で遊んで新しいものを実装している姿を見せることが、一番の教育になると思ってるんです。

ザキヤマ:
最高じゃないですか!

コロナで「一度死んだ街」を見て。飲食店オーナーが上流へと向かった理由

ザキヤマ:
竹原さんは、もともと飲食店を20年以上も経営されていますよね。そこからなぜ、創業支援や教育といった「支援側」の活動にシフトしていったんですか?

竹原さん:
きっかけは、コロナ禍で「街が一度死ぬ」のを目の当たりにしたことなんです。飲食店オーナーとして駅前を眺めていて、本当の意味で誰もいなくなった。震災の時もそうでしたが、特にコロナは「美味しいものを作って待っていればいい、喜んでもらえればいい」という商売の前提を、根底から覆しました。

ザキヤマ:
「待っているだけでは守れない」と痛感したんですね。

竹原さん:
そうです。飲食店って、ビジネスの生態系でいえば一番の「下流」なんですよ。街に人がいて、活気があって、初めて流れてくる水(売上)がある。でも、上流である「街の活気」そのものが枯れてしまったら、下流でいくら努力しても限界があるんです。

ザキヤマ:
それで、自ら「上流」を耕しに行ったわけですか?

竹原さん:
はい。街を賑やかにすること、新しく挑戦する人を増やすこと。そこをやらないと、自分の店も、仲間たちの店も守れない。だから、市の創業支援の講師を引き受けたり、プロデューサーとして全体の動線を設計したりするようになりました。

ザキヤマ:
でも、それって、すごい行動力ですよね。
自分の店を回すだけでも、大変な時じゃないですか。

竹原さん:
それが、飲食店って、面白いんですよ!
街のために泥くさく動いていると、「あいつが頑張ってるから、今日のランチはあいつの店に行こうか」って選択肢に上がってくるんです。
最近も、僕が支援した飲食店オーナーが市議会議員に立候補して、新人無派閥、選挙カーなし、事務所なし、電話もかけずで2位当選しちゃいましたし(笑)。地道に手と足を動かしていると、不思議と商売も繋がっていくんですよね。

ザキヤマ:
なるほど!
「俺たちのために動いてくれているんだ」と、見てる人が応援してくれるんですね。

女性を中心に多くの人で賑わう店内!

煤だらけの「エントツ掃除」とAI。手触り感こそが信頼の正体

ザキヤマ:
竹原さんの話で僕が一番好きなのが、AIの話をしているかと思えば、急に「薪窯(まきがま)のエントツ掃除が大変だ」なんて話をするところです。その「ギャップ」が、竹原さんの信頼の正体な気がして。

竹原さん:
いや、本当ですよ(笑)
僕の店には巨大な薪窯があるんですけど、半年に一度はエントツ掃除をしなきゃいけない。もう全身煤(すす)だらけです!
WebでLPを作ったり、AIでコードを書いたりする一方で、現場では真っ黒になって煙突を擦ってる。これが僕の「ライフワーク」ですから。

ザキヤマ:
エントツ掃除ができるマーケター!
これ、最強じゃないですか?(笑)

竹原さん:
実際、創業セミナーに来る人たちに「僕もこんなにしくじってきましたよ」とか、泥くさいトラブルの話をすると、急に距離が縮まるんです。今、SNSを見ると「スマホ一台で月収100万達成した!」みたいなキラキラした情報が溢れていますけど、あれって「手触り感」がゼロなんですよね。

袋井の創業セミナーでは、ザキさんも講師で参加!

ザキヤマ:
「ノーホワイ(何のためにやるか)」が欠けていて、手法(ノウハウ)だけを売っている感じですよね。

竹原さん:
そうなんです。
僕は飲食店を20年やる中で、冷蔵庫が壊れたとか、雨で漏電した、スタッフにお金を持ち逃げされた……そんな「商売の現実」を山ほど乗り越えてきましたから。
一方で、新しいガジェットが出ればすぐに試す!この「泥くさい現場」と「最先端のツール」の両方を知っているからこそ、地に足のついた支援ができると思っています。

ザキヤマ:
ツールに溺れず、でもツールを使い倒す!
そのバランス感覚こそ、今の時代に一番必要かもしれませんね。

竹原さん:
この前も、初めてフルAI動画に挑戦したんすよ。
しかも、クライアントさんの「出展補助金が通りました!」宣言から2週間後までに、チラシ・LP ・動画3本を納品という超過密スケジュールで(笑)

初めてフルAI動画に挑戦

ザキヤマ:
え、2週間?!
いくらAIでも、無茶ぶりじゃないですか?(笑)

竹原さん:
ですよね(笑)
AI課金もかかったし悪戦苦闘しながらでしたけど、おかげで要望があれば講座がひらけるぐらいにはスキーム構築できました!

ザキヤマ:
どうやって出来るんですか?

竹原さん:
まず、KPI設定してシナリオ(脚本)を作って、各プロットの絵コンテを作って・・・と、手順としては、いつもの撮影編集と同じなんですよ(笑)

絵コンテの写真が生成なのは以前からですが、コツとしては

・その写真をもとに動画生成のスクリプトをつくること

・ただし、そこが起点になると欲しかった1秒の冒頭を飛ばすことになるので、生成したものを「このシーンの2秒前を画像生成して」みたいなことやって、そこから5秒の動画を生成したりしてます!

ザキヤマ:
竹原さんのマーケティング視点と動画編集スキルが土台にあるからこそですね!

竹原さん:
ちなみにこの「市町村バトルカードゲーム」って、街の名物や名所がカードになったゲームなんですが、浜松に始まり、袋井・森町へじわじわと広がっているんです。


ザキヤマ:
市町村の名所がカードゲームに?
めちゃめちゃいいですね!
なぜこのアイデアが?

竹原さん:
このクライアントさんも、ジュビロやブルーレブズ(ラグビー)の選手が集う飲食店の経営者なんです。その御縁で「ブルーレブズバトルカードゲーム」を制作したんですが、「これは自治体もいけるかも?」とご相談にいらっしゃいました。

お話を聞いていたら「自治体だけでなく、動物園やYEGの社長たち、私立高校野球部の卒業記念品とかいけるんじゃないですか!?」と盛り上がっちゃって(笑)

ザキヤマ:
最高ですね!

竹原さん:
補助金を活用して、5月23日(土)24日(日)に幕張メッセで開催した「東京ゲームマーケット」に出展したら、AI動画が大活躍してくれて。全国の自治体や観光団体との商談に繋がったそうなんです!
いやー、よかった。狙いどおりにいきました!

ザキヤマ:
素晴らしい!
クライアントさんからの喜びの声が、何より報われますよね。

➡️後編に続く:エントツ掃除からマデイラ島へ。袋井の仕掛け人が描く「6年越しの世界戦略」とは?

ナイストライ!

(記事編集:しあわせ販促工房 窪田てるみ、記事企画・ディレクション:ありかた 片井義之)

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静岡マーケティングサロンは実践者のナイストライを後押しして、実践者同士が生の事例や悩みを共有し「これってみんな、どうしてる?」を聞ける居場所です。

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